--.--.-- *--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT :

2011.08.15 *Mon

【短編小説】 「大切な時間」 (P-1) / 桂木 けい

※小説家になろう!にリテイク版をUPしています。


 そう、その事故に遭ったのは、私が25歳の夏の事だった。当時はまだ妻の早紀とは結婚はしておらず恋人同士の間柄だったのだが、付き合い始めてから5年くらいになっていて、お互いについて少々倦怠期のような感じがしていたモノだ。

 しかし、私が運転していた車の助手席に早紀を座らせて、外で食事をした後で彼女を家へ送ろうとしていた時に、対向車線から中型のトラックがセンターラインを大きく踏み越えて来て、私たちの乗る乗用車と正面衝突をしたのだった。その物凄い衝撃は今でも覚えているが、その時に見た光景は真っ白な光以外に記憶しているモノは無かった。

 少し話しを戻そう。

 私と早紀は仲の良い恋人同士のハズだったが、あの日のファミレスでの食事の時に「そろそろ親に会って欲しい」と言われて、正直のトコロ「困ったな・・・」と考えてしまった。そしてカンの良い彼女にソレを見抜かれてしまいバツが悪かったのは、私がまだ大人になりきれていなかったと言う事でもある。もう子供と呼べる年齢でも無いので、キレイな言葉で言えば“大人の関係”だったし、別に他のトコロで浮気や二股をかけているワケでは無いのだが、ヤル事だけしておいて、イザ“結婚”をチラつかされると決心がニブってしまう。決して認めたくは無いが、私はそんな矮小なニンゲンなのかも知れない。

 彼女の事は大好きで愛してると思っているが、それは彼女を独占したいとか、抱いてキスをしたいとか、欲望に類する感情も混ざっていて、率直に言えばドコからドコまでが純粋に愛と呼べるのか?なんて、全くもって判らない。もしかすると、最近になって彼女との関係が“空気“のように軽くて見えなくなってきたのは、私の方に多くの原因があるような気がしている。

 そんな状態の中で一緒に外食へ出たのがマズかったのか?、彼女の申し出に対して“まだ行きたくないな~・・・”と考えてしまったのが、どうやら“カオ“に出てしまったらしい・・・。店を出てから、車の運転席で正面を向いてハンドルを握っていれば、イヤでも彼女の顔が視界に入ってしまうから、少しナナメを見ながら運転していた時に“その事故”へ巻き込まれてしまった。

 大きなエンジン音とモノ凄い衝撃が走り二人の全身を貫く。とっさの事だったがハンドルを左へ切って真正面からの衝突を回避しようと試みたが、実際にどうなったのかは確認のしようが無かった。視界いっぱいの光がはじけてフロントガラスに真っ白なスジが無数に入ったかと思うと、まるでガラスの洪水のごとくコチラへ流れ込んできた。

 私は無意識に彼女の方へと左腕を伸ばして必死に守ろうとしたのだが、それすらも“守れ無いかも知れない”彼女に対して、“自分はココまでやった”という自己満足で無いと誰が信じてくれるだろうか?。実際に彼女を守れるのは私の左腕なんかでは無くて、車のエアバッグなのだから・・・。

 気がつくと白い天井を見上げていた。

 もう、お察しの通りだが、ココは天国では無い。最も、こんな“自己中男“が行けるとは考えてもいないが、イキナリそんな事になって何故判るか?。それは白い天井のワキに透明の点滴袋がブラ下がっているのを見れば“バカでも”判る結論だろう?。

 首や頭それに腕と脚など身体を動かそうとすると、ほぼ全身に痛みが走るが致命傷は無さそうだ。幸いな事に打撲程度で済んだらしい?。そして夜の事故の事を思い出して、その不幸に見舞われたのが自分一人では無かった事を思い出した。

「気がつかれましたか?」

 ベッドの上でモゾモゾしていると、まだ若い看護婦さんが入ってきて点滴の残量を確認する。手にはA4サイズのバインダーに何かのチェックシートを持っていて、私が起きていれば体温などの検診をしに来たようだった。

「早紀は?私の他にもう一人居たはずです」

「ええ、奥様でしたら、まだ集中治療室にいらっしゃいます」

 もしかすると運転免許などの身分証明を持たなかった早紀の事を、私の妻と思い込んでいるらしいが、今はそんな事より彼女の容態について尋ねる事が先なので特に聞き流す事にした。

「怪我の状態が悪いのですか?」

「そうですねぇ~・・・」

 看護婦さんの説明によって早紀が一般の病室ではなくて集中治療室に居るのが判ったが、彼女と云うか・・・“彼女のお腹の子供”が事故の時にシートベルトによって圧迫されており、母子共にとても危険な状態にあると知らされた!。

「え?!」

 ベッドの上で飛び起きるような勢いで上半身を起こす。まだ首や腰も痛かったが、そんな事よりも驚きの方が強くて、病室の白い壁が見えているハズなのに、とても暗く感じたのは、私に負い目のような罪の意識があったせいだろう。

【短編小説】 「大切な時間」 (P-2)へ続く!
 
スポンサーサイト

COMMENT

母子共に・・・

次回更新を楽しみにしております。
2011/08/15(月) 10:44:43 | URL | AL #- [Edit
ALさんへ
いつも見て頂きありがとにゃんです!。

タマには別のお話しをと思い、
短編ショート小説を載せるコトにしました。

続きはまた次回になりますにゃ!。
2011/08/16(火) 13:33:22 | URL | kei #YG9ONXHE [Edit

Comment Form


秘密にする
 

TRACKBACK

TrackBack List


*** admin ** NewEntry ***

現在の経験値



プロフィール

kei

Author:kei
通りすがりのへっぽこガンニャ~です。

セ~セ~ド~ド~と後ろから、
ソレがダメなら
せめて横か崖上から・・・。
背中を向けた相手なら
この私に任せるにゃ~><!。

当ブログはリンクフリーにゃ!

また当ブログの画像や
ヘタっぴな文章等について
無断での転載を
一切禁じるにゃ~><!

skype:keikei0914(表示名kei)





カレンダー

12 | 2017/03 | 01
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -









Copyright © いまさら?ネトゲ狩猟日記! All Rights Reserved.
テンプレート配布者: サリイ  ・・・  素材: TripISM  ・・・ 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。