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2010.06.09 *Wed

【小説】 「ネットの彼女」 第2話(P-8) / 桂木 けい

 今私の目前では、先ほどからパーティを組む事になったライルが、ジャボスという小型肉食竜と闘っている風景が映しだされている。まだ一度も戦闘の経験が無い私から見ても、それは手馴れたというより、なかなかの手練だった。刃渡り60センチほどの短刀1本を器用に振り回しては、近づいてきた相手へ確実にダメージを負わせていく。

 しかし相手が5匹いるので、攻撃モーションの戻り際に背後から襲いかかられてしまうと、確実に避ける事は難しいようだった。目の前で最初の1匹が倒されて、緑色の体液が地面へと広がり、そして吸い込まれていく。私は自分の目を疑った。それは余りにもその光景がリアルに見えたからだ。闘ってる身体の動きや筋肉の躍動感、攻撃が当たった時に発生する反動、それに敵モンスターの行動(アクション)など、それまでは”たかがゲーム”とタカをくくっていた私にはとても新鮮で、まるで映画の1シーンのように目が離せない状況になっていた!。

 すると、2匹目を倒したライルの背後から、また別のジャボスがその鋭い牙で襲い掛かろうとしているのが見えた。気が付くと私は走り出していた。剣道などやった事はないが、何故かこの長剣でライルの加勢がしたくなってきたのだった。

 私に気づいたジャボスが1匹だけ、こちらへと向かって来た。そして長剣を抜いて身構える私の寸前でジャンプして踏みつけようとして来る。宙に跳んだジャボスを見てから横に避けて・・・、ドスン!!、運良く下敷きにはならなかったが、少し軸がズレていたオカゲで、”マトモ”では無かったが体当たりを少々喰らってしまったようだ。その瞬間にヘッドセットと両手に持ったコントローラーが、ブルブルと強いバイブレーションを繰り返す!!。

「何で~~><?!!」

 見事に仰向けに尻モチをついた格好で地面へと倒れる。「ええ~?!」と言うのが今の正直な感想だった。先ほどのライルの闘いを見ている限りでは、何故か自分にもやれそうな気がしたのだが現実(?)は甘くない。体力ゲージが少し減ってはいるが、着ていた服のオカゲでこれくらいで済んだのかも知れない。(大山には、この時初めて感謝したい気持ちになった)

 このまま寝ていては次の攻撃を受けてしまうので、横方向に転がってからすぐに起き上がる。幸い相手は足元に私が居ないので、スグに次の攻撃には来ないようだ。

「首を狙ってryoさん!ソコが弱点だからっ!!」

 ジャボスはまださっきの場所から動いていない。長剣を持ち近づくと大きく振りかぶって切り付けると「バシュッ!」と、攻撃が当たり体液が飛び散る。またそれと同時に小さなエフェクト(光)を見る事が出来る。仰け反ったジャボスに対しては、もう一歩間合いを詰めて再度切りつけるが、それは首では無くて胸の辺りを切りつけたようだった。

 しかし、このジャボスはライルとの戦闘で手負いだったようで、この2撃目で運良く倒す事が出来たのは、やはり幸運と言うべきか。その間に残りの2匹を倒したライルがこちらに戻ってくるが、彼の体力ゲージも少し削られていた。

 今まで気づかなかったのだが、このライル・・・装備が無い?、通常のダウン・ロード版のプレーヤーだったようで、防御力=0で武器も一番最初に支給されるハンターナイフという代物だと知ったのは、もう少し後の話だった。

「さあ、早く採っちゃってよryoさん、でないと次が来ちゃうよ!」

 エリアの奥にある古木の転がってるトコロへと向かいゴソゴソを採取を行う。後ろではライルが次の敵が来ないか警戒をしてくれてるみたいだ。一つ、二つとキノコを採取するのだが、この見知らぬ誰かに背中を任せて、背後を守って貰うという事には何故か後ろめたいような感じと、恥ずかしくて嬉しいような感覚を少しだけ覚えたのは、確かこの時だったと思う。

 残り3つのレア・キノコの採取を終えて、ポーチの中にはソレがいっぱいになっていた。立ち上がって後ろを向くと、まだライルは周囲の警戒をしており、その背中が見えた。本当ならここで、礼の一つも言えばいいのだろうが、何故かそれが喉から出て来る事は無く、ただ一言「終わった」とだけ彼に告げて先に歩き出した。

 たかがゲームで、しかも他人に感謝するなどとは全然予想をしていなかったのである。もしこれがリアルでの出来事だったら、普通に「ありがとう」が言えたかも知れない。でも、いつもなら言えるその一言が、何故かノドにつかえて自然には出てこなかった。

 それは、明らかに自分よりも上手いライルに対して劣等感のような感情と、それが例えゲームの中での、しかもクエストの為とは云え、生まれて初めて自分の背中を守って貰った事に対する、とまどいのようなものだったのかも知れない。

 私はこの正体の知れない、ただのゲームのプレイヤーを相手に、何か懐かしいものを感じずにはいられなかったのだろうと思う。そしてそれは私の中で何か小さな変化が起ころうとしていたのだが、この時にはまだ、それが何なのか分からずに居たという方が正確な表現だったのだろうと思う。


(P-9)へつづく!(更新は、一応・・・来週火曜日の予定です!)

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COMMENT

もぅ~ドキドキしながら読んでて~…そのまま寝ちゃってました><; ごめんなさぃww

リアルとバーチャルの違いって…じつゎ何もないのかもしれなぃですね~( ̄ω ̄)

リョウ先輩ゎ…ハマりはじめましたねww
GJ☆ライルさんヾ(≧∇≦)

視点切り替えで~近接武器ハンターさんもスコープみたいな目線になっ…


…たら気分悪くなるかもwww
2010/06/10(木) 12:00:49 | URL | Yuffie(ユフィ)☆ #- [Edit
Yuffieさんへ
毎回ちゃんと読んで頂き、ありがとにゃん!。

最近は小説の事があまり話題になりませんし、
コメントも少ないので、みんな飽きちゃったのかなぁ~?と、
少し思い始めていたりもしてます><。

でも!今ではこの小説を書く時間も、
私の中では大切なものになってきておりますので、
何とか頑張って続けて行きますね~!。

ユフィ編集担当にだけ、原稿の進捗を申し上げておきますと、
現在P15の下書き中なのですが、
P9以降につきましても校正を行う必要がありますので、
それが終わり次第に順次UPをして参りますので、
これからも宜しくお願い致します。
2010/06/10(木) 12:42:19 | URL | kei #YG9ONXHE [Edit

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