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2010.05.11 *Tue

【小説】 「ネットの彼女」 第1話(P-3) / 桂木 けい

 帰る途中で軽く食事も済ませ、そそくさと家路へと向かう。この食事についても私の場合はあまり執着がなく、お腹いっぱいに食べる事もほとんど無い。また、どちらかと云えば肉系が好みだが、だからといって毎日食べたいとも思わない。食事とは常に生きる為に必要な行為だから食べているのであって、他の誰かのようにそれ自体が目的だとは、どうしても思えないのである。

 これはきっと小さい頃からの生活環境によるものなのかもしれないと考える事がある。

 子供の頃(それも小さなころ)に家族で座って食事をしたのは、恐らく小学一年の夏までだった。幼かった私にはどうする事も出来なかったのだが、私の実父がどうしようもない男で一体何が面白くないのか?、家庭内暴力(DV)を良く(と言うかほぼ毎日)繰り返す人間だったので、さすがに命が危なくなった母が家から逃げ出した事があった。

 それは私が小学校へと行ってる間に起こった事で、帰ると家の中はそれはもうスゴイ状態になっていた。家具は傷ついていたり壊れていたり、衣類や小物類は散乱していたりと、所々には母親のものと思われる赤い血痕が所どころに残されていた・・・。

 その光景は今も私の奥底に鮮烈なイメージとして焼きついてしまい、今でも昨日の事のように思い出す事が出来る。でもそれは、自分にはもう母親が居なくなってしまった事への理解と言うか決して受け入れられない事実を、現実の出来事として目で見る事によって、ムリヤリにでも脳に焼きついてしまった事による後遺症かもしれないと思う事がある。

 それから何ヶ月を過ごしたのかはもう覚えていない。次に新しいお母さんという方が来ては最初のうちは何かと世話を焼いてくれたとは思うのだが、本当に細かい記憶が無いのだ、それもスッポリと抜け落ちたかのように。私が覚えているのは、その新しい母の作ったゴハンを食べなかったり、言う事を聞かなかったら、その度に実父が夕方に戻って来ては私を殴ったと言う事だ。まだ小学一年だった私を木刀で殴る、そう何度も・・・何度も・・・。殴られすぎて下半身の感覚が無くなり失禁していた事があるのだが、ズボンと床が濡れていたのが分からなかった事があったのを、(今はもう恨んではいないが)ハッキリと覚えている。もう明日は死んでるかもしれないと思った事は一度や二度ではなかったが、外面だけは良かった男だったので誰も信じてはくれないだろう。私はこの頃に、もうすでに人生を一度あきらめた人間だ。その後には、もう誰かに助けを求めた記憶も無い。

 やがて家での朝ゴハンもいつからか無くなり、それに気づいた小学校の担任の帰山先生という女性の先生が、毎朝に保健室で私を待っていて牛乳と菓子パンを食べさせてくれた事を今でも覚えている。

 そして時は少しだけ流れて、年が明けてから母から家に「子供を引き取りたい」と連絡が来たのだと思う。ある日の夜に母が家に戻って来て、私の目の前で離婚の話と私を母が引き取る話をしているのを聞いた。そしてテーブルの上には紫と白の小さめの風呂敷に包まれた、たくさんの一万円札の束が見えた。誤解の無いように断っておくが、これは別に実父が母に渡す養育費や慰謝料の類では決して無い。

 これは私を引き取る為に、母が親戚から借金して集めてきたお金で、要するに私は実父に売られたのである。いくらで売られたのかまでは知らないが、かなりの枚数のお札が束のようになってた事を今でも覚えている。

 こうしてこの後に、一時の間は生まれ育った京都にいるのだが、やがて実父の居るこの地を離れる為に母に連れられて名古屋へと移って行ったのは小学二年に上がる頃だったと思う。ここでの生活から母子家庭となり、母が少しでも実入りの良い水商売の仕事を始めたので、朝も夜も一緒に食事をする事が、ほとんど無くなり食事とは私にとってそれほど”楽しい時間”ではなかったと言う事もある。

 少し長くなったが、思い返して見ると、私が食事に執着しない性格に育ったのも、このような家庭環境が大きく関係しているのだと思う。それは大人になっても直らない癖の一つになったのだが、今では食い物に拘らないこの性格を気に入ってもいる。だが、少々偏食になっており食べられないモノが多くあるのは、そろそろ直してもいいかも知れないとも考えている今日この頃だったりもする。


(P-4)へつづく(更新は来週の火曜日の予定です)

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COMMENT

おはようございます
P3upお疲れです。

ふんふんそういう事ですか。

着色が付くと主人公の外郭が見えてくるので思い入れしやすくて良いですね。

どういう風にこの性格が繋がっていくか、すでに楽しみです。

覚えとこ。

では、来週も楽しみにしてます。
2010/05/11(火) 09:50:25 | URL | AL #- [Edit
続きがちょっと気になってるの・・私だけ?
こんにちは。マーチです。
私のモンハンとの出会いも、このお話に近いものがありますので(主人公と性格は正反対・・むしろ大山君に・・)楽しく読ませてもらってます。
基本・・読む側専門なので「がんばってください・・」しかいえないんですが・・アエテ・・ガンバッテクダサイ!
2010/05/11(火) 12:59:50 | URL | march #- [Edit
リョウ先輩にそんな過去が…(ρ_;)

何かしらの背景ゎ想像(妄想?w)してたんですけど~…

( ̄ω ̄;)にゃふ~
想像以上にディープにゃ…イメージを少しかえるにゃ。

2010/05/11(火) 20:46:18 | URL | Yuffie(ユフィ)☆ #- [Edit
小説大好きです☆☆

今日もじっくり読ませていただきました^^

これからどうなってくるのか

とても楽しみです

応援してま~す
2010/05/11(火) 21:46:40 | URL | LEON #- [Edit
いろいろなコメントをありがとうございます!
いつも読んで頂きまして、ありがとうございます。

思ったよりも「楽しみです」と云うように好意的に書いて頂く事が多くて、
本当にありがたい事です。

物語の流れとしましては、
当ブログの流れに合わせたような感じで、
お話が始まっていきます。

例えばキノコ採取→小型肉食竜狩猟→そのボス的な中型肉食竜・・・、
という感じでしょうか?。

でもそこはブログと小説なので、
書き方や当事者の視点が変わる事により、
また別の話として読んで頂けると考えます。


※ナイショコメントを頂いてる方へ

 コメントをありがとうございます。
 返しをしようと思っておりますが、
 こちらから送信する方法がありません。
 もし宜しければメール・フォームから
 連絡先(フリメ)を教えて下さい。
 宜しくお願い致します。
2010/05/12(水) 08:04:03 | URL | kei #YG9ONXHE [Edit

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