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2016.01.23 *Sat

【小説】 「それは・・・よくある話のオンライン?!」 第1話(P-7) / 桂木 けい

「教会騎士団!今時点で他ギルドとのパーティを解散して主力部隊の周囲へ展開する!何があっても味方に近ずけるな!ココで食い止める!」

 1パーティ4人で構成された小隊が25集まって1つの軍団を形成しており、先ほどの命令はその中央よりやや後ろから各所へ発せられている。そこには大きなミスリル銀の大杖を持ち、全身を深紅のワンピース・ドレスで包んだやや背の低い女性、というより女の子が騎士団員に護られるようにして立っていた。

「ララ様!やはり傭兵ギルドの動きがヘンです!ボス攻略へ向かうはずの傭兵達が、我々のすぐ後ろに移動を始めています」

「やはりそうか・・・我々が敵を正面から食い止めている時に、その背後を襲うつもりだろう。判りやすいヤツラだ」

 今回の攻略に当たって、これまで敵対していると考えられていた傭兵ギルドと手を組む事になった。かつては教会に居た者たちだったのだが、ある事件の後で彼女が追い出したメンバーも居て、今も教会に怨嗟を持っていると忠告されていたのだった。

 しかし、ゲームが先に進むにつれて敵のレベルや数も増えてきており、これ以上教会に所属するメンバーだけで攻略を続けて多少なりとも被害を受け続ければ、近い将来に必ず組織が維持出来なくなると考えたからだ。。

 たまたまログインしたゲームが悪かったせいで、この世界に捕らわれてしまった人たちの願いはただ1つだけ。”早く家に帰りたい”それだけだ。TVやネットで事前にCMが放映されていたのを見て、この世界へ”ちょっとだけ”遊びに来た人には、現在の状況は悲劇であるとしか映らないだろう。

「今回の攻略は失敗だ!各自散開!あの森で再集結する!みんなついて来い!!」

 ララの号令が早かったせいで、教会騎士団が敵と交戦したタイミングを待ち、背後から襲撃するように命令されていた傭兵ギルド所属の戦士たちの動きが止まる。予め聞いていた状況と違う展開になった為に、各自でどう行動すれば良いか判断に迷ってしまったようだ。

「ですがララ様!攻略パーティの先頭付近にユウ様とメイ様が残されてしまいます!」

「大丈夫!手は打ってある!それに、あのユウがカンタンにヤラレるワケ無いでしょう?」

 多くのプレイヤー達の中でもかなりの実力者揃いの教団騎士たちである。例え孤立して味方から孤立したとしても、そう簡単にあのユウを倒せる敵なんて、今回の標的であるボスを除けばそうは居ないハズだ。

「ですが、ユウ様1人でメイ様を護りながら逃げ切れるのでしょうか?」

「ぅ~ん・・・でも、まぁ~何とかなるんじゃないかな?」

 少し考えたララだが今は目の前の敵を突破する事に集中して、教会騎士団のメンバーたちに1人でも死者が出てしまうのを防ぐのが先だ。それに弟にはユウたちを救援に行くよう指示をしておいた。また彼には少し変わった友人が居ると聞いているし、今頃はそいつを誘ってもうこの当りに潜んでいるかも知れない。弟にはユウたちが攻略パーティの先頭に居る事は伝えておいた。

「ランス隊!正面のオーク隊に風穴をあけろ!!」

 円弧状に展開している彼女の部隊のうち、長槍を装備した騎士たちがそれぞれの正面に突撃を敢行し、その後ろからファイターやウォリアーといった接近戦が得意な騎士たちがなだれ込む。彼らの任務はその後ろから来るアーチャーやメイジ・プリーストなど後衛職の退路確保である。

 教会騎士団では日頃から幾人かのチームに分かれて、撤退戦などのような緊急事態を想定した訓練をしているおかげで、このような危機的状況に陥っても誰もパニックを起こさずに訓練どうりの動きが出来るようになっている。また、そうでなければ戦死者が出る可能性があるボス攻略戦に参加させる事は出来ない。

「5名ほどが軽傷を負っていますが、まだ戦えます!」

「アイツらホントに覚えてろよ!街に戻ったら傭兵ギルドなんて消し去ってヤルからな!!」

 深い森の中を駆けながら、ララの口からは怨念のような一言が漏れる。

「今回の傭兵ギルドの攻略リーダーって誰だっけ?」

「キースという男で、ジョブは上位職のグラディエーターです」

 いつもララの横に居る別名”セバスチャン”と呼ばれているメンバーから即答がある。

「ああ、アイツか」

 そう言えば今回の攻略を他のギルド・クランと進めるに当り、各組織から代表者が集まっていた会議でその姿を見ていた。そして、一人で何かを考えているララの周りには、先ほどの挟撃を無事に免れた教会騎士団のメンバー達が続々と集まって来ている。

「ララ、やっぱりオレの言ったとおり罠だっただろ?」

 ララが傭兵ギルドへの報復を考えていると、向こうからマリンブルーをベースに黒と白の縁取りのあるワンピース・ドレスのような鎧を来た女性戦士が近づいて来た。彼女とララの防具はベースが同じワンピースのデザインを踏襲しており、あとは細かなパーツと装飾、それにカラーの違いによってバリエーションの幅を持たせてある。そして、この人物もララと同じで女性と表現するよりも女の子と呼んだ方が良い背格好をしている。

「遅かったなミナミ、ヒナノは一緒じゃないの?」

 ララ、ミナミ、ヒナノはこの世界へ来てから知り合った友人同士である。今ではもう古くからの親友みたいな関係で、ララが教会の執行部に入るまではいつも一緒にパーティを組んでいたものだ。

「ここに居ないと言うことは、ユウたちでも助けに行ったんじゃないかな?オレも今から出かけるから、どこかで見つけて来るよ」

「もしかして、傭兵ギルドのヤツラに天誅を下しに行ったんじゃ・・・ないわよね?」 


P-8へつづく
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