--.--.-- *--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT :

2016.01.23 *Sat

【小説】 「それは・・・よくある話のオンライン?!」 第1話(P-4) / 桂木 けい

「ホントになんて数なのよ!もぉーーーーーーーーーーーー><!!」

 殴り倒しても、蹴り飛ばしても、後から後から再現無く出現する敵キャラたちに対して怒っているのは、ともすればメイド服にも見える黒と白の衣装を纏った教会騎士団員の一人からだ。胸元に小さな紅い十字が無ければ教会関係者とは分らなかったかも知れない。

「だから他のギルドと一緒の作戦なんて絶対イヤだって、あれほど反対したのにぃーー!!」

 戦闘開始からまだそれほど時間は経っていないハズなのだが、想定外の敵戦力と遭遇して味方に撤退の合図が送られて来たのはついさっきの事だ。なのに周りを見ても味方の姿はまばらにしか見えず、作戦参加者たちは既に各自の判断でこの戦闘区域からの離脱を始めており、彼女たちの周囲に味方はもう居ない。

「傭兵団のアイツら!今度会ったら思い知らせてやるから!!」

 余り気は進まなかったのだが、今回の作戦では妹のメイが回復役として先頭チームに配置されていた為、双子の姉であるユウも自分から希望して同じパーティへと配属して貰った。

 全員が配置に付くと攻撃命令が伝えられて一斉攻撃が始まったのだが、その瞬間に攻略パーティの外側を円を描く様に敵キャラがポップ(出現)したのが異変の始まりだった。攻略に参加する程の腕に自信のある冒険者達だから、オークやグールが複数現れた程度では何の問題も無く各個撃破が可能なハズだった。

 確かに、オークを主力とした増援を見た時に、味方の戦力のうち3分の1を増援部隊の殲滅に割いて、残りの3分の2でこのエリアのボスである大型キメラの討伐を続行するという連絡が来ていた。

 その3分の1とは主にユウと同じ教会所属のメンバーたちが選ばれていた。だが同じ教会所属ではあったが、妹のメイがプリーストだったため、ユウたちのパーティには敵のボスである大型キメラ討伐に向かうよう指示があり、後衛を気にせず森の奥へと進撃を開始したのだった。

 やはりボスの居る場所へと近づくほど敵の数は多くなっていて、ファーターやウォリアーそしてランサーなどの近接攻撃を主体とした冒険者たちの一群が敵陣の中央へと切り込んで行って、メイジやプリーストなどの後衛ジョブが援護を行う。当然だが敵方にもワイトやスケルトン・メイジといった魔法職が居て、それらが呪文の詠唱を終えるまでに味方のアーチャーたちが1体ずつ狙撃をして倒して行くといった連携が必要となる。

 こうしてユウたちが前進を初めてから、5分くらいの時間が過ぎた頃だろうか?。

 順調に進撃していたハズの攻略パーティに対して、突如として”撤退”が指示された。

「勝ってるのに、なんで撤退するのよ?!」

「ユウちゃん、後ろの方で何かあったのかな?」

 ユウと同じく黒と白のメイド服を着た、双子の妹が姉に問いかける。しかし、このゲームを1日でも早く終わらせて、妹のメイと2人で無事にリアル(現実世界)へと戻る事を悲願としているユウには、この命令を素直に聞く心の余裕が無かった。

「悪いな、撤退なんで君たちとはここまでだ、幸運を祈る!」

 同じ教会所属では無く、今回初めて一緒にパーティを組む事になったファイター達も次々と戦線を離れて行く。完全に敵の真っただ中で攻略パーティが解散してしまい、もうユウたちだけではどうしようも無い状況だ。

「ユウちゃん、私たちも早く逃げないと・・・」

 気がつけば、もう周囲をグルリと敵のオークたちに囲まれてしまっており、近くを見渡しても同じ教会所属のメンバーたちの姿はもう見えず、双子の妹を庇いながら闘っているのは姉のユウ1人しか居なくなってしまった。

「このままではマズイわね・・・」

 もし味方の後衛部隊が全滅していたとすれば、このまま後ろへ向かって退却するのは自ら炎に飛んで行く羽虫のようなものだ。ここは一度右か左へと抜けてから、森を大きく迂回して街へと戻るルートを探さなくてはならない。

「メイ、あそこの敵が少ないトコロを突破するわよ!ついてきて!!」

「あ!ユウちゃん、ちょっと待って・・・」

 先に駆け出したユウが、短いスカートを押さえながらゴブリンなどのザコを蹴り飛ばして、後から走って来るメイの通り道を確保する。

「やっぱこの服スカートが短かすぎたかも・・・」

 味方に遠距離攻撃が可能なメンバーが居ない時に困るのは、やはり敵にメイジなどが混じっていた場合だろう。たとえザコ敵のスケルトン・メイジが相手だとしても、魔法の攻撃力は物理攻撃のそれを遥かに上回るからだ。

 更に味方が少ない場合に困るのは、敵メイジの前衛にオークなどが配置されていた場合には、どうしてもそいつらを先に倒す必要があり、敵の魔法攻撃に先制されてしまうといったデメリットを被る事になる。

(攻撃スキルの連発を控えて、スタミナを温存しなきゃなんだけど・・・)

 このゲームが始まって以来、エリアボス攻略を行う際には複数のギルドやクランが手を取り合って協力してきた。いつもなら1つのパーティは同じ組織に所属するメンバーで組んでいたのに、何故か今回に限って混成パーティとなっていたのか?。

 そして、ついさっきまで順調だった攻略パーティが急に四散してしまったのは何故なのか?。

 目の前の敵を殴り飛ばし、時には蹴り倒しながら血路を切り開いて進んではいるが、頭の中はそれらの疑問でいっぱいになって行った。


P-5へつづく
INDEXページへ

スポンサーサイト

COMMENT

Comment Form


秘密にする
 

TRACKBACK

TrackBack List


*** admin ** NewEntry ***

現在の経験値



プロフィール

kei

Author:kei
通りすがりのへっぽこガンニャ~です。

セ~セ~ド~ド~と後ろから、
ソレがダメなら
せめて横か崖上から・・・。
背中を向けた相手なら
この私に任せるにゃ~><!。

当ブログはリンクフリーにゃ!

また当ブログの画像や
ヘタっぴな文章等について
無断での転載を
一切禁じるにゃ~><!

skype:keikei0914(表示名kei)





カレンダー

12 | 2017/03 | 01
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -









Copyright © いまさら?ネトゲ狩猟日記! All Rights Reserved.
テンプレート配布者: サリイ  ・・・  素材: TripISM  ・・・ 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。