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2015.07.05 *Sun

【小説】 「ネットの彼女」 第7話(P-67) / 桂木 けい

 ヘッドマウント型ディスプレイの内側がホワイトアウトすれば、それがクエスト開始の合図となる。目の前を真っ白な光で満たされると思わず瞼を閉じずには居られないが、その後で徐々に明るさが弱まっていくと、目の前には広大なフィールドが映し出される。

 真上から照り付ける太陽が、ゲームでは表現が出来ないはずの”暑さ”まで描きだして、遠くにある森林の緑色を鮮やかに彩る。このゲームを始めてからいつも感じているのだが、フィールドへ降り立った瞬間のグラフィックの美しさには今も目を引かれる事がある。

 フィールドへと降り立ち”いつも”は感じない違和感を覚えて周囲を見回してみると、誰も居ない事に気がついた。今までのクエストなら隣には必ずパーティメンバーが居てくれるのだが、今回の上位クエストでは皆が一人ぼっちでスタートする事になるようだ。

pinksnow:「みんな~早くアチシのトコロに集まるのよん~!」

 画面の端にある縮小マップを見ると、ここから3つ先のエリアでピンちゃんのマーカーが点滅を繰り返してサインを出しているのが見える。

hikaru:「オカマがリーダーみたいで、なんか気がすすまないなぁ~」

pinksnow:「あらん?またアチシのビボーに嫉妬しているバカボンくんが居るようねんw」

hikaru:「なにおぅ~><!今すぐセ~バイしてやるからソコを動くなよぉ~~~!!」

 とりあえず1ヶ所に集まって戦力を集中させるため皆がピンちゃんの元へと向かう。若干1名が渋っていたようだが、今は別の目的でピンちゃんの元へと向かっている事を彼女のマーカーの動きで確認する事が出来る。

ryo:(やっぱりピンちゃんはヒカルさんみたいなタイプの人の扱いが上手いなぁ)

sino:「私が一番遠いみたいなので、少しお待たせするかもです・・・」

ryo:「ゆっくりでいいと思いますよ、余り早く合流しても”自称オンナ”の戦いに巻き込まれるだけですから・・・」

sino:(もしかして”ビンゴ”かも?)

 ボイスチャットを切る最後の瞬間に何か聞こえた様な気がしたが、まだこの時は言葉の意味が判らなかったので聞き流す事にした。

 しかしいくら急いでいたとしても、走り出す前にボウガンへ弾を装填しておくのを忘れてはいけない。抜刀時に即座に攻撃が可能な剣士系の武器とは違い、構えてからリロードが必要なボウガンだと、1人で敵とエンカウントした時に先手を取られ易い。しかし弾が先に装填された状態なら先制攻撃が可能となり、その後の戦いを断然有利に進める事が出来るようになる。

 今回のターゲットとなっているファイヤー・ドレイクの他にも、同じフィールド内には多数のモンスターが生息しているはずなので、このような用心はしていても決して無駄になる事は無いはずだ。

 次のエリアに進むと小型の肉食竜が何匹か姿を見せたが、まだこちらを襲ってくる様子はない。ある程度の数が揃えば積極的に獲物に襲い掛かる習性がアルゴリズムとしてプログラミングされているが、今回はアチラの頭数が少ないので余ほど近づかなければ襲われる心配は無さそうだ。

sino:「方向はコッチで合ってますよね・・・?」

 少し進むと向うで手を振っているシノさんの姿が見えた。モニター上では縮小マップとマーカーの向きでおおよその位置は見る事が出来るが、それはあくまで平面的な情報でしかない。実際に進んで行くと行き止まりだったり、切り立った崖だったりする場合があり、ましてや初めて来たフィールドでは一つ一つ確認するくらいの慎重さがあってもいいだろう。

ryo:「そっちで合ってると思います。先を急ぎましょうか」

sino:「はい!」

 シノさんと2人で先を急いでいると、ピンちゃんvsヒカルさんのチャットが聞こえてくる。

hikaru:「イキナリ人のコト撃つなんて!ド~ユ~了見だ~!」

pinksnow:「そっちこそモンちゃんも居ないのに何で抜刀して走って来るのよん?」

hikaru:「それゎ・・・ちょっと・・・モンちゃんの前に片付けときたいコトがありましてへっw」

pinksnow:「コッチもアンタなんかに片付けられるワケには逝かないのよん!」

 あの様子だと2人は先に合流を果たしていて、私たちの到着を待っているなんて今回初めて同行する事になったシノさんには伝わらないだろうな・・・。

sino:「あのお2人って、とても仲が良ろしいのですね?」

ryo:「もしかして・・・分るのですか><?」

sno:「ええ、と~ってもw」

 ピンちゃんと共にクエストへ行く様になって、まだ余り長い時間を過ごしてきた訳ではないが、何故かあの無理をせずに演じているオカマキャラに愛着のような気持ちを感じている。

 また、ヒカルさんについても一見しただけでは、ワガママで他人の意見が全く聞こえていない印象を受けたりするが、その実は寂しがりな一面が時々ではあるが言葉の端に見え隠れする時がある。

 このように少し分り難い人間性を持つネットのフレさんたちについて、私と同じように良い印象を持ってくれていると思うと、何故か嬉しく感じてしまうのはネットの中だからだろうか?。

(P-68へ続くにゃ?!)

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