This Archive : 2012年10月28日

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2012.10.28 *Sun

【小説】 「ネットの彼女」 第6話(P-64) / 桂木 けい

 もしコレがヒカルさんと1対1のタイマン勝負だったならば、その軍配は間違い無くグリーンドラゴンの方に上がっていただろう。しかし、このゲームの仕様ではプレーヤー側は4人まで参加が出来るルールなので、いくら力で勝る敵が相手だったとしても、チームプレイによって、そのパワーバランスをひっくり返すコトが可能となるのが、このゲームの面白いトコロだ。

 傷ついて逃げ出そうと飛翔したグリーンドラゴンを、”ピカッ!”と光る閃光玉を使用して何度も地面へと叩き落し、その度に皆で一斉攻撃を加えていると、とうとう力尽きてその巨躯を支えきれなくなったのか?、崩れ落ちるように倒れ込んだ。

hikaru:「やった~~!オレの勝ちだぁ~~!!」

hoimi:「”オレ”じゃなくて”みんな”のでしょ?」

D:「いえいえ、オイラの一人勝ちなのですヨ!」

ryo:「・・・・・」(この2人絶対”トモダチ”少ないだろうなぁ・・・)

 こうして、ヒカルさんの公式昇段試験を無事に終える事が出来て、本当に良かったと考えていると、ふと、私の中に他人事を思いやる心が残っていた事に気づく。普段(リアル)なら、特に親しい間柄でもなければ別段”気にもかけないような”程度の出来事のはずなのだが、素直に喜んでいる相手を見ていると、それが何故か自分の事のように嬉しく感じたりするのが少し楽しい。

 私の心には小さい頃の影響がまだ残っていて、他人に対して本当の意味で心を開いた記憶がない。もう十分に大人の年齢になり、上辺だけならヒトと合わせる事が上手に出来るようになったおかげで、社会人としての生活を普通に送ってはいるが、本当の私は”人間”という生き物に対して、あまり良いイメージを持ってはいない。

hikaru:「・・・リョウさん・・・どうかしたの?」

ryo:「え?なに?!」

 少しもの思いにふけっていると、後ろからヒカルさんに呼ばれて我に返る。この仮想空間の中では、”ryo”というアバターを通して他の人と関わるコトになるが、意識をして”特定の人格”を演じるツモリが無ければ”素”の自分が出て来るコトがあり、それが結果として自分自身の本来の姿だったり、”こうなりたかった”自分に気がつく事があると何かの本で読んだのは、まだずっと先の事だった。

hoimi:「みんなで次のクエストへ行く相談をしていたの」

D:「オイラが居れば勝利は間違い無いのですヨ!」

 そういえば?ログインしてから、私とヒカルさんの2つの試験を無事に終えて、ゲーム内の感覚でもかなりの時間が経過している。この世界の中ではリアルとは時間の流れが違い、現実世界のおよそ2倍くらいは過ごせる事を考慮しても、そろそろ帰って(ログオフ)寝る時間が迫っていると本能が告げる。

ryo:「いえ、明日も早いので今日はここまでにします」

hikaru:「ぇえ~~!もう帰るのかぁ~><?」

 ”もう”とは言っても、システムコンソールからリアル時計機能を呼び出して確認すると、”もう夜中の1時”を軽く回っている。

ryo:「もう夜中の1時じゃないですか・・・」

hoimi:「私はもう少しだけココに残りますね☆」

D:「だから、オイラが居れば勝利は間違い無いのですヨ!」

 この日の試験をクリアした事によって、明日からは新しいフィールドへと出かける事が可能となり、その地には今までに見た事も無いようなモンスターたちが生息してる。そして、それらとの戦いに見事勝つ事が出来れば、また次のステージへと進む事が可能となる。

 一般的にディスクなどの媒体で売られているゲームとは異なり、アップデートによる更新を前提としたネットワーク型のゲームでは”ゲームクリア”の概念が乏しい。

 定期的に新しく追加されていくコンテンツが多くて、私のように仕事を持った社会人の場合はプレイ時間に制限があり、その全てを踏破する事が困難だからという理由以外にも、”ソレ”をしたら終わりといった”エンドコンテンツ”を意図的に実装しないからだ。

 ”ネトゲ”の面白いところは、従来型ゲームのように一定又は複数の予め決められたストーリーを辿る事では無くて、場所や世界を提供し、そこへ集まるプレーヤーたちが織り成す毎日の小さな出来事の積み重ねが物語りとなる点だという事かな?。

 この世界には本当に様々な方たちが居て、精神的な人間関係だけを類比するならばそれらはリアルと何ら遜色は無い。しかし、ここには年齢や性別、職業や社会的地位などは(それほど)意味を成さず、純粋に相手との繋がりによってのみ関係が成立する。

 まぁ、ヒラタク言えば”会う”のが簡単で、サヨナラするのはもっとカンタンだと言う事だ。

 しかし、こんな”ネトゲ”にも終わりはある。

 それはプレーヤーの多くが去ってしまい、街だけが残った状態を言う。

 正確に言えば街と少数のプレーヤーが残ってはいても、商業的に見て採算ラインを下回ってしまい、プロジェクトチームに存続の意思があったとしても、メーカー的には打ち切らざるを得ない状態を指す。

 目の前で手を振って、私を送ってくれている方たちを見ながらいつも考えるのは、今の状態がいつまでも続く”関係”ではないと言う事だろう。出会いがあれば必ず別れがあって、その後になっても仮想空間の中の”もうひとつ”の人生は続いて行く。

 だから、また会える約束は無くても必ず皆がこう言う、「またね!」と。


(P-65へ続くにゃ~?!)

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